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相続人同士で、亡くなった方(被相続人)の資産や負債について誰がどのように相続するか決めるための話し合いを、
遺産分割協議と言います。
民法では法定相続分が規定されており、各相続人の権利が相続財産全体に対して何分の1であるか決まっています。
しかし、預貯金のように法定相続分どおりに分けやすい資産もあれば、土地や自動車のように、単純に分けることが容易ではない資産もあります。
その為、土地はAさんが、預貯金はBさんが、というように実際にどの財産を誰が取得するかを遺産分割協議によって決めます。
日本の法律では、法定相続分というものが定められており、相続人の人数や立場によってそれぞれが相続できる割合が定められています。
しかし、遺産分割協議で全員の意見が合うのであれば、それどおりに分ける必要はありません。
例えば、相続人が長男、次男の二人だけである場合、本来の相続分はそれぞれ2分の1ずつですが、遺産分割協議で「長男が全て相続する」だとか「長男が5分の1、次男が5分の4を相続する」などという内容にすることが出来るのです。
遺産分割で決めることは大きく分けて2つあります。
1.資産をどのように分けるか
2.負債をどのように負担するか
資産をどう分けるかは、相続人にとって一番大事な事柄です。
主な例は次のとおりです。
例えば、不動産であれば、大田区の自宅は長男に、品川区の投資用マンションは次男に、などと物件ごとに異なる決め方をしても良いですし、一つの物件について2分の1ずつの共有としても良いです。
預金も同様に、銀行ごとに相続する人を決めても良いですし、具体的な金額で決めることも出来ます。
遺産というと、資産ばかりに目が行きがちですが、亡くなった方に借金があったり、未払い金(例えば入院代とかクレジットカードの支払いなど)などがある場合には、それも相続の対象となります。
ただ、一般的な金銭の債務は、可分債権と言ってそれぞれの法定相続分に応じた金額に分けることが出来ます。そのため本来は遺産分割協議などを行うことなく、当然に各自が自分の相続分に応じて案分した金額を支払う義務を負うことになります。
ほとんどの負債は、本来は遺産分割協議を行うことが必須ではないのです。
しかし、それでは債権者にとっても複雑ですし、当事者としても財産を多く受け取った人がいるのであればその人がそれに応じて負債も相続するべきだと考えるかも知れません。
その為、当事者同士で法定相続分通りではない負債の相続方法を定めることは可能です。
負債としては、具体的には次のようなものがあります。
例えば次のような財産については、法律上は遺産分割協議の対象とはなりません。
ただし、被相続人が亡くなったことに起因して発生したものですので、全員の合意があれば遺産分割協議で改めて分け方を決めなおすことは問題ありません。
遺産分割協議は、その内容の全てについて相続人全員が合意しないと成立しません。
誰か一人でも分割の内容に反対している人がいれば、話し合いは決着しないのです。
その為、相続人がたくさんいる場合は、とても大変な作業になります。
相続人全員が合意し遺産分割協議が成立した場合は、最後に遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書の記載方法に明確なルールはあまりありませんが、役所や金融機関に提出する際には、相続人全員の記名と実印での押印の他、次のような内容がきちんと書いていないと受け付けてくれないこともあるためご注意ください。
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