ここでは、サイン証明書を利用して相続手続きを行う際の注意点やよくある問題点をご紹介いたします。
サイン証明書は、もともとサインをした書類とは独立して、印鑑証明書と同じように単独で1枚の用紙として作成するタイプ(ここでは単独形式と呼ぶことにします)と、サインをした書類にホチキスや糊付けをして割印をし、完全にひとつの書類として綴じ込んで作成するタイプ(こちらを綴じ込み形式と呼ぶことにします)の2つがあります。
この2つのどちらかで作成するべきか迷うところです。
単独形式のメリットは、その一枚でいくつもの書類に書いたサインの証明ができることです。
サイン証明書は、印鑑証明に比べて発行費用が高く、一通あたり千円を超えてしまいます。
また相続手続きは遺産分割協議書を始め、銀行や証券会社の所定用紙などたくさんの書類に対してサインの証明が必要となっています。
これらの書類全てに対して綴じ込み型の証明書をひとつひとつ付けていったら、かなりの金額になってしまいます。
それに対して、1枚の発行ですべてが証明できるのであれば1通分の費用しか払わなくて良いので出費も抑えることができます。
また、サイン証明書の発行は領事館などで行うため、そういった施設が非常に遠方であったり中々休みが取れず行けない状況である場合は、発行手続きも一度で済ませたいところです。
そういった状況の中でも、相続手続きの中で、あらたに証明が必要な書類が発生することも多々有り、その都度在外公館に赴いて発行をするのは非常に大変です。
その点、単独型のサイン証明書があれば、新たな書類に施したサインも証明できるのでわざわざ再取得する必要もありません。
まとめると単独型のメリットはつぎのようなものが挙げられます。
これに対して、綴じ込み形式の場合はデメリットが目立ちます。
上記の単独形式のメリットで上げた点と正に反対で、その書類以外の証明はできないため何枚も取得しなければいけませんし、書類が増えるたびにまた証明書発行の手続きに行かなくてはいけません。
銀行や証券会社が多い場合等は、すべてにサイン証明を綴じ込んでいくとなると、相当な費用や手間がかかることでしょう。
そのため、相続手続きという範囲で言えば、やはり単独形式ですべて対応したほうが得なことが多いと思われます。
このように単独形式の方がメリットはあり、費用も安くなるのでできればこの方式で取得して進めたいところです。
実際法務局での不動産相続手続きや、多くの金融機関の手続きでは単独方式でのサイン証明書を添付すれば手続きを進めてくれます。
ただ、少数派ではありますが、いくつかの金融機関などでは綴じ込み形式でないと手続きを受け付けてくれないところもあります。
これはそれぞれの会社の方針もありますが、支店の責任者の意向によって変わってくることもあります。
サイン証明の有効期間は、提出する先によって変わってきます。
まず不動産の相続手続き(相続登記)をするために、遺産分割協議書に添付するサイン証明書は、なんと有効期限の定めがありません。
もっとも、相続を原因とした名義変更の場合であって、不動産の売買などで使う場合は3ヶ月以内と定められています。
銀行など金融機関に提出する場合は、3ヶ月以内、もしくは6ヶ月以内と定めてられていることが多いです。
しかしこの取り扱いも法律で明確に決まっているわけではありません。サイン証明書は取得自体にも時間や手間がかかるため、どうしても金融機関が定める有効期間内に手続きを進められないこともしばしばあります。
相手方にもよりますが、そういった事情を説明して交渉することで、本来求められていた有効期間を過ぎた場合でも手続きに応じてくれることもあるため、どうしても間に合わなそうな場合は予めお願いをしておくこともひとつの手段です。
サイン証明書を還付してくれるかどうかも非常に重要な事柄です。
まず、法務局に関しては、相続手続きの場合サイン証明書の原本は返却してもらうことができます。
とは言っても、単に提出しただけで自動的に還付してくれるわけではなく、申請書にきちんとコピーをつけて、そのコピーが原本と同じであることの証明分を添え、原本還付を希望する旨の表示をしなければいけません。
また、金融機関に関しては、予め返却して欲しい旨を説明すれば、戸籍などのその他の書類一緒に還付してくれるところがほとんどです。
ただし、こちらも単独形式が認められるかどうかの問題と同じく、金融機関の中には原本を還付することは出来ません、という回答をしてくるところもあります。
このような対応をしてくる会社はあまり多くはありませんが、一苦労して取得したサイン証明書を、予想外のタイミングで失ってしまうことを避けるために、予め手続きを予定している銀行などに原本還付が可能かどうか確認しておいたほうが良いでしょう。
ちなみにですが、当事務所でもサイン証明書を使った相続手続きは多く取り扱っており、原本を返却できないと主張する金融機関にあたることもありますが、交渉次第で例外的に返却してくれることもありました。
あくまで会社単位の任意な取り決めに過ぎませんので、どうしても還付して欲しい場合は窓口で話し合ってみても良いと思います。
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